EA気象データ/EPWフォーマット(EA/EPW)
「EPWフォーマット」とは
EPWは、EnergyPlus Weather Dataの略語で、建築と建築設備によるエネルギー消費量のシミュレーションに広く使用されているEnergyPlus用の気象データです。EnergyPlusは、米国のthe National Renewalbe Energy Laboratory(NREL)が管理しているフリーでオープンなプログラムです。EPWフォーマットとはEnergyPlusで読み込むことができaるフォーマットの気象データです。https://energyplus.net/
「EA気象データ/EPWフォーマット」とは
拡張アメダス気象データ(以下、EA気象データ)は、EPWとはフォーマットが異なるため、EnergyPlusで読み込むことはできません。読み込めるようにするには、EA気象データのフォーマットをEPWフォーマットに変換しなければなりません。EA気象データのフォーマットをEPWフォーマットに変換し、EnergyPlusで読み込めるようにした気象データを「EA気象データ/EPWフォーマット」(略して、「EA/EPW」)と呼んでいます。EA気象データとEPWでは登録されている気象要素数も異なります。EPWに登録されている気象要素は全部で29種類あります(それらの中にはEnergyPlusで使われていない気象要素もかなり含まれています)。EA気象データの基本気象要素は8(外気温、絶対湿度、水平面全天日射量、大気放射量、風向、風速、降水量、日照時間)ですが、EA気象データに附属するプログラム等によって気象要素を追加することができます。「EA/EPW」は、全部で20種類の気象要素を持っていますが、これは、もともとEA気象データに含まれている気象要素に、計算によってEPWに登録されている気象要素を追加したからです。EPWフォーマットには、気象データの時系列値の他に、ヘッダー行、コメント行があり、指定されたデータを書き込む必要があります。「EA/EPW」に収録されている要素を下表に示します。詳細は本ホームページの技術解説「EA気象データのEPWフォーマットへの変換」(PDFファイル)をご覧ください。
ヘッダー行コメント行 | 内容 |
Header1 | 地点名、都道府県名、国名、EA種別、EA地点番号、緯度(小数点表示)、経度(小数点表示)、タイムゾーン(日本は9)、標高(m) |
Header2 | 設計条件(0を登録) |
Header3 | 標準的な期間/厳しい期間(標準的な期間は季節別に1週間(全4週間)、厳しい期間は冬・夏各1週間計2週間を登録) |
Header4 | 地中温度(深さ0.5m,2.0m,4.0mの月別地中温度を登録) |
Header5 | 休日/サマータイム(休日は日本の16の休日を登録) |
Comment1 | コメント行1(著作権等を記述) |
Comment2 | コメント行2(地中温度の計算条件を登録) |
Comment3 | データ期間の数、1時間あたりの間隔数、データ期間の名称、開始日の曜日、開始日(月日)、終了日(月日) (登録内容:1,1,Data,Sunday,1/1,12/31) |
要素とその有無(〇、×) | 要素 | 有無 | 要素とその有無(〇、×) | 要素 | 有無 |
①-⑥ | 年,月,日,時,分,リマーク | 〇 | ㉑ | 風向[°] | 〇 |
⑦ | 外気温度[°C] | 〇 | ㉒ | 風速[m/s] | 〇 |
⑧ | 露点温度[°C] | 〇 | ㉓ | 雲量(0-10) | 〇 |
⑨ | 相対湿度[%] | 〇 | ㉔ | 不透明雲量 | - |
⑩ | 大気圧[Pa] | 〇 | ㉕ | 視程[km] | - |
⑪ | 大気圏外水平面日射量[W/m2] | 〇 | ㉖ | 雲高[m] | - |
⑫ | 大気圏外法線面直達日射量[W/m2] | 〇 | ㉗ | 気象状況 | - |
⑬ | 大気放射量[W/m2] | 〇 | ㉘ | 気象コード | - |
⑭ | 全天日射量[W/m2] | 〇 | ㉙ | 可降水量[mm] | 〇 |
⑮ | 法線面直達日射量[W/m2] | 〇 | ㉚ | 大気の光学的厚さ | - |
⑯ | 水平面天空日射量[W/m2] | 〇 | ㉛ | 積雪量[cm] | 〇 |
⑰ | グローバル照度[lx] | 〇 | ㉜ | 最後の積雪からの日数[日] | - |
⑱ | 法線面直射照度[lx] | 〇 | ㉝ | アルベド | - |
⑲ | 天空照度[lx] | 〇 | ㉞ | 降水量[mm] | 〇 |
⑳ | 天頂輝度[cd/m2] | 〇 | ㉟ | 降水時間[hr] | - |
「EA/EPW」をEnergyPlusに読み込ませるには
「EA/EPW」をEnergyPlusで読み込ませるには、EnergyPlusに附属しているEP-Launchというプログラムで、使用するWeather Fileとして、使用したい年・地点の「EA/EPW」ファイルを選択します。EP‐Launchプログラムは、EnergyPlusをダウンロードするとそのメインディレクトリーに含まれています。EP-Launchプログラムでは、Weather Fileの選択の前に、まず計算条件、建物や空調設備の使用を設定したInput Fileを選択します。Input Fileは、EnergyPlusに附属しているIDF Editorによつて作成したり編集したりすることができます。Weather Fileを使用して年間の計算を行うには、Input Fileの「Simulation Control」で「Run Simulation for Sizing Period」を「No」、「Run Simulation for Weather File Run Periods」を「Yes」とし、「Run Period」で、「Begin Month,Begin Day of Month,End Month,End Day of Month」として、それぞれ、「1,1,12,31」を選択します。具体的にはEnergyPlusに附属する解説書(Getting Startedの入力事例等)を参照してください。
現在、3つのEA気象データ標準年をEA/EPWファイルに変換して公開しています。公開しているEA/EPWフォーマットデータの地点番号、都道府県名、地点名およびファイル名の一覧表を、以下よりダウンロードすることができます。
EA/EPWフォーマットデータの地点番号、都道府県名、地点名およびファイル名の一覧表
「EA気象データ/EPWフォーマット」のサンプルデータダウンロード、動作例
「EA/EPW」のサンプルデータをダウンロードしていただけます。実在年2010年、鹿児島のデータになります。(実在年は現在のところ商品化されていません)また、EaEpwNaviを新規に公開しました。EaEpwNaviには、EA/EPWの6.5m高さの風速を任意高さの風速に変換する機能、EA/EPWの気象データを見やすい一覧表(csv形式)で表示する機能があります。
タイトル | ファイル名 | Download |
EA/EPWのサンプル※実在年2010年の鹿児島 | JPN_80602010_KAGOSHIMA_EA_W0065.epw | |
EA/EPW Naviツールと使用マニュアル | EPW_Navi_210112.zip |
実際に、エナジープラス(ver.8.7.0)に「EA/EPW」を読み込ませ動作させた例を以下に示します。この例では、気象データとして、「EA/EPW 実在年2010年」の札幌、鹿児島、那覇を使用し、月別の暖房負荷、冷房負荷を出力しました。
使用した建物モデル(energy plus 8.7.0 に同梱されているExercise1D-Solution.idf)
「EA気象データ/EPWフォーマット」の入手方法
「EA/EPW」は、MetDSからパッケージとして購入するか、MetDSとライセンス契約を結ぶかにより、入手して使用することができます。パッケージの購入手続き、またはライセンス契約には、「EA/EPW」の使用許諾契約に合意したうえで進むことができます。ライセンス契約では、別途、ライセンス契約を結ぶ必要があります。使用許諾契約書及びライセンス契約書の一般的書式は本ホームページに掲載していますので、ご覧ください。パッケージ購入またはライセンス契約により「EA/EPW」を入手して使用する条件等は以下の通りです。なお、EA/EPWを格納した光学ディスクは暗号化されており、読み込みは添付のマニュアルにしたがって行ないます。ユーザーは、光学ディスクから読み込んだEA/EPWをコンピュータの任意のフォルダに保存し、EnergyPlusのEP-Launchプログラムで計算対象地点のEA/EPWを選択して計算を実行することができます。
1.パッケージとして「EA気象データ/EPWフォーマット」を購入する場合
- 1名のユーザーが、1台のコンピューターで使用することができます。
- 登録されたユーザーの変更はできません。
- MetDSは登録いただいたユーザーの個人情報を、個人情報保護法に従って適法に管理します。
- 使用期間に制限はありません。
- データは附属文書類と共に1枚の光学ディスクに収められています。
- 提供した光学ディスクまたはデータに重大な不具合があるとMetDSが認めた場合は、無償で交換します。
- 1995年版、2000年版、2010年版の標準年EA気象データに基づく「EA/EPW」を購入することがきます。
- 最小地点数は1標準年あたり10地点で、最小合計地点数も10地点です。1標準年あたり5地点単位で追加が可能です。ユーザーは地点を任意に選択することができます。
- 価格は1地点あたり2,000円(消費税込)です。
2.「EA気象データ/EPWフォーマット」の使用に関するライセンス契約を結ぶ場合
2-1 ライセンス契約(その1)、ライセンス契約(その2)の共通事項
- ライセンスの期間は1年ですが、継続することができます。
- 使用者(ユーザー)数とは、EA/EPWを契約期間内に1回以上使用する者の合計数をいいます(同時使用者数ではありません)。
- ユーザー以外の者が提供されたEA/EPWを使用することはできません。
- ユーザーは、業務の変更、配置換え等の妥当な理由があれば、変更することができます。ただし、ユーザー数の上限を超えることはできません。
- MetDSは、使用を許諾したデータを、附属文書類と共に1枚の光学ディスクに収めて提供します。
- MetDSは、提供した光学ディスクに不具合がある場合、及び収録したデータに重大な過誤があるとMetDSが認めた場合は、光学ディスクを無償で交換します。
- プログラムのバージョンアップ等によりMetDSがデータを更新した場合は、契約更新時に無償で新たなデータを提供します。
- 提供されたEA/EPWの使用はライセンス契約期間内に限られます。
2-2 ライセンス契約(その1)
- ライセンス契約(1)は、同一法人、同一研究室、またはそれらに類する組織等であって、ユーザー数と使用する地点数の積が100以上、すなわち、(ユーザー数)×(地点数)>=100の場合に適用されます。
- 地点は1995年版、2000年版、2010年版の標準年EA気象データに基づく「EA/EPW」から任意に選ぶことができます。
- 最小地点数は1標準年あたり10地点です。
- 契約更新時に地点を追加することはできますが、地点の削除や変更はできません。
- 年間ライセンス料は「0.25×地点数×ユーザー数×2,000円+消費税」です。
2-3 ライセンス契約(その2)
- ライセンス契約(その2)は、法人であって、建築環境設計または建築設備設計を業務とするユーザーの数が10名以上の場合に適用されます。
- 提供するEA/EPWは、最も新しいEA気象データ標準年に基づくEA/EPW(現時点では2010年版EA気象データに基づくEA/EPW(注1))の全地点です。
- ライセンス契約(その2)は、ユーザー数によって4種類を設定しています。各契約種別の使用者数と年間ライセンス料金は下表の通りです。使用者数が50名を超える場合はご相談ください。
契約種別 | ユーザー数 | ライセンス料金(円/年) |
1 | 10名 | 300,000 |
2 | 11~20名 | 400,000 |
3 | 21~30名 | 500,000 |
4 | 31名~50名 | 600,000 |
EA/EPW ライセンス契約(その1)の標準書式
EA/EPW ライセンス契約(その2)の標準書式
「EA/EPW」パッケージ版 購入案内
パッケージの購入手続き、またはライセンス契約には、「EA/EPW」の使用許諾契約に合意したうえで進むことができます。ライセンス契約では、別途、ライセンス契約を結ぶ必要があります。使用許諾契約書及びライセンス契約書の一般的書式は本ホームページに掲載していますのでご覧ください。以下に示す使用許諾契約の内容に同意した上で、EA/EPWの注文フォームに移動することができます。
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